家族の「決定」は本当に必要?民法が示す“同意”という考え方

「民法には“家族で決める”という規定はありません。家族の意思決定は“同意”を基本とするのが法の考え方です。」

今日も、いつもの友人と話している中で、息子さんの話題になりました。
息子さんは、もう50歳近くになるそうです。

その流れで、私が「家族に対して、何かを決めたという記憶がほとんどない」という話をしたところ、
「そんなことはないはずだ」と、やはり驚かれました。

こうした反応を受けるたびに、
自分の考え方は、世間一般とはかなり違っているのかもしれない、と思うことがあります。

ただ、法律の世界に目を向けると、
民法には「家族で何かを決める」という規定はありません。

そういう意味では、私の考え方は、見事に民法どおりとも言えます。
なぜ、このような考え方になったのか。

振り返ってみると、結婚後に法律を学び、法学部で過ごした経験が影響しているのではないか、と思い当たります。

法学の中では、
誰かが一方的に「決める」というよりも、
それぞれが意思を持ち、その意思に「同意する」という構造が、ごく自然に前提とされています。

また、仕事の中で、市街化区域の決定など、
行政として「決定」を行う場面に関わり、
そのたびに住民の方々から多様な意見を受け、
「決定することの重さ」や「難しさ」を、肌身で感じてきたことも影響しているのかもしれません。

家庭にとって、円満であることが何より大切だと思います。
だからこそ、私は、家庭の中に「決定」という概念を持ち込むことには、少し慎重であるべきではないかと感じています。

民法上も、「決める」という言葉ではなく、
「同意する」という考え方が基本に置かれています。
個々人が自ら判断したことに対して、他者が同意する。
それが、法の立て付けです。

家族の中で起きる出来事についても、
できるだけ「決める」という意識ではなく、
互いに同意していくプロセスとして捉えてもらえたら──
そんなふうに、私は切に思っています。

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